エクタクロームの仕上がり

エクタクロームを現像したのがあがってきた。

いや、あがってきたのは大分前なんだけど。最近ブログを書くのがサボリ気味だったので。

カメラはニコンF-501を使用。いかんせん高価なフィルムなので、ちまちまと数か月かけて使ってたせいで、撮影データなどはあまりよく分からないところが多い。フィルムが高いのはいまさらだけど、現像にもけっこうかかった。キタムラでやってもらったんだけど、いつものデータCD化と違って少し高くついた。

フィルムと現像代、合わせて4000円くらいだったか。

 

 

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初春ごろに、青春18を使って山陰方面に行った時のもの。香住駅にて。レンズを覚えてないのだが、おそらく35-105mm。

 

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シンプルに空。

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こちらはマイクロニッコール55mm F2.8で撮ったものかな。

確かに発色はきれいだ。

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夕方、かなり西日がきつい時に、芝生に生えてたキノコ。種類は不明。

カラーフィルターとか一切使っていないので、西日の影響をもろにかぶっている。

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サザンカかな(詳しくない)。同じ時に撮ったものなので、こちらも色がかなり西日色。

エクタクロームとF501

 先刻復活したエクタクロームを一本買ってあったのだが、どのカメラに入れて使うのが良いか、いまいち放置気味で。

 エクタクロームは高い。だから、うかつには使いたくないが、使わなければ意味がない。だいたいにおいて、うちにはジャンク拾いでなんとなく動きそう、みたいなカメラがたくさん転がってるわけで、それはそれでいいんだけど、そこにこういうフィルムを装填するのはやはり怖い。

 まあ、一応信頼のあるF3あたりが妥当かなあとか思っていたが、しかし毎度これだな。

 というところで、ふと思い出したのがF501。

 小6のとき、中古で買ったやつだ。中古価格は当時でもかなり安く、お年玉でなんとか買えた。カメラ好きの祖父が、知り合いの詳しい人に中古で買うのにオススメを尋ねたところ勧めてくれたというのがこれ。

 しばらくはふつーに撮っていたんだが、意外と使う機会はなかった。中学に入り、写真から遠ざかったから。でも、まだちゃんと動く。さすがだ。

 というわけで、ここは、F501にエクタクロームを装填すべきでないか。

 ということで、装填してみた。

 

 F501は、ニコンが出した最初のAF一眼レフである。

 ちなみに、この半年前に、外観はそっくりのMF一眼レフ、F301が出ているのだが、これの内部にはピント駆動モーターや測距素子用の空きスペースがあったという話がある。つまり、F501のプロトタイプ。

あるいは、まだ当時は海のものとも山のものともしれないオートフォーカスというシステムに対する、保険という見方もある。つまり、F501がだめなら、F301があるさという話。当時をリアルタイムでは知らないので、当時の評価がどうかは知らない。

 

 いかにもなプラボディというのはAF一眼レフらしいが、形はそこまで冒険していない。

 

 AFは速くも何ともない、というかむしろ遅いし、合わせにくいシーンも多い。今どきの爆速に慣れている人からするとびっくりするかもしれない。

 

 モードは充実していて、プログラムAEも使えるし、絞り優先も使える。プログラムAEにはモードが3本。

 でもまあ、今となっては当たり前だし、なんなら90年代でも当たり前だった。だから安く買えたんだろうけど。

 

 この機種の面白みは、実はプログラムAEのワザ。

 当時はまだ、古いMF時代のレンズ、つまりAiレンズの利用者が多かった。AF第一号なんだから当たり前である。AiレンズでAFができないのは仕方ないとして、これだとプログラムAEを使うことが出来ないという問題がある。要するに、絞り制御ができないわけだ。

 で、採用されたのが瞬間絞り込み測光という手法。シャッターを押すと、絞りを絞った後、再度その状態で光を測光してシャッターの値を決めるという二段構え。

 F501が初採用というわけではなく、MF時代の末期からあった。具体的には、82年発売のFGから86年発売のF501の間、80年代の半ばだけ見られた時代の狭間のやり方というわけ。歴史が見えるのである。

 この測光システムのデメリットはタイムラグがあることで、そのせいもあってF501ののちに発売されたフラッグシップ、F4には採用されなくなった。タイムラグはともかく、そんなわけでF4でプログラムAEは使えない。まあプロ機だからあんまり必要のないモードであると言えば言える。

 普及機でも、このF501の次のF401になると、瞬間絞り込み測光は使われなくなった。レンズ技術の進歩もあったろうし、そうなると前述のタイムラグのデメリットが相対的に目立つ。まあそういうことなんだと思う。

  

 

 

オートボーイのはなし

むかし、オートボーイをよく見かけた。キヤノンのコンパクトカメラである。

その頃はまだよくあった、町のカメラ屋さんのショウウインドウだったり、親の通販のカタログだったり、ホームセンターにもあった。

何種類かはあったように思う。まあまあ高いものから、ずいぶん安いものまで。

どのみち、小学生の小遣いで買えるものではなかったけど。それに、当時一番の関心は天体写真だったから、コンパクトカメラはお呼びでなかった。

だが、ズームするカメラは、それなりに興味は引いた。

他のメーカーからも、コンパクトカメラは出ていた。ペンタックスからは、140mmまでズームできるカメラが出ていた。ほかのメーカーはどうだったか。

こういうカメラは、あまり中古ショップに出回らない。たとえ回っても、ジャンクコーナーに無造作に突っ込まれていたりする。

あまりコレクションアイテムとしては意味を見出されないんだろう。

でも最近はそうでもないようだ。フイルムがリバイバル気味で、写真を撮りたい人に受けているわけだ。そういう人にとっては別にライカである必要はないし、これはこれでかわいいデザインみたいな評価もあるんだろう。知らんけど。

だからかな、ヤフオクなんかでも、それなりに見かける。すごく安い。たいてい、動作未確認だったりはするが。ほとんど全自動だから、チェックしにくいというのはまあ、あろう。

ときどき、ポチりたくなる。でも、ジャンクで動かなかったら嫌だなとかも思ってしまう。

普通の中古ショップでもそうそう手に入らないんだからいいじゃんと思わなくもないのだが。あ、でも新宿の某ショップにはコンパクトカメラコーナーがあった。やっぱ需要か。

ヤフオク、本体は安く落とせても送料がなあ、なんてのもありますよね。わかる。

 

 

ブームがどれくらい続くのかはわからんけど、できるだけ。

 

EL2とワインダー

こんなものが増えました。

なんとなくニコマートという存在が昔から気になっていて、すでにELもEL2も持っているのだけど、どっちも白だしなーとかよく分からない理由で黒EL2を買い増してしまったもの。

まあこれには理由もありまして、これです。ワインダー。

ニコンの一眼レフはモータードライブがつくパターンがほとんどなのだが、EL系だけはワインダーが実装されている。ところで、モータードライブ(MD-12とかMD-4とか)はわりと中古市場に見かけるのだが、ワインダーは少ない。ところがこれはEL2にワインダーがついている。これは買うしかないじゃないですか。ぽちっとな。

ワインダーのスイッチを入れてシャッタを切ると、すごいギュイインという音がしてシャッターが巻き上がる。

EL系の魅力は、進化の端境ということだ。古いニコンのカメラは、「ガチャガチャ」、つまり絞りを取り付けるときに半自動的に伝える必要があるのだけれど、このELのころを境にAi方式になる。自動的に絞りを伝えるわけだ。

だからどうしたというかもしれないが、おもしろいじゃないですか。技術の進歩が目に見えて分かる。

ニコマートの後期機種にはAiが混じっていて、EL2とFT3がそれにあたる。そのあとニコンFEとFMが出て、こっちがAi化したカメラとしての本流になったので、ニコマートの系列は途絶える。なんだか少し前に、ジャンクコーナーにELが大量に並んでいた時期があった。最近はあまり見なくなったが、あれはなんだったのかな。前に某中古カメラ店でFEを触っていたらジャンクでも何でもないのに不調で、ああそろそろこのへんの機種は電子部品がアウトなんですよねえと言われたことがある。もしかしたらそういう話かもしれない。FEもよくあるけど、あれはロングセラーだからな。

EL系にはEL、ELW、EL2とあって、AiになったのがEL2。ELWはワインダーがつく。ほかの機能は一緒……のはず。

比較的昔の機種だから、普及機だけどミラーアップがある。というかこの機種はミラーアップがないととても都合が悪くて……

ここに電池ボックスがあるのである。なんでそうなった。初期の電子カメラだから、設計が難しくてここしか開いてなかったのだろうな。いつもどこか破損してしまわないか心配。出すのも難儀。

なんでELにこんなに執着するかというと、これはすごく個人的な事情があって、13年頃かな、ELを買ったのですよ。ふつうに使ってたのだけど、うっかり巻き上げた状態で巻き上げようとしてしまって。

別にその後どこか具合が悪いということもないんだけど。

まああとどれくらい動くか分からないけれど、しっかり使いましょうかね。

 

X-T2がやってきた

うーん、なんかこう、ついにやってしまった。

 

もともと、X-T1は持っていたんだよね。別に特段不満があったわけではない。思ったより小さくないのが不満といえば不満であるが。でも思うところはあった(お前は何を言っているのかと言われそうだが)

例えば、ISO感度ダイヤルが回しにくい、とか。個体差の範疇だろうけど、なんだかボタンに回しにくさを感じる、とか。

とはいえ、衝動買い出来るお値段ではなし、なんかこう、店頭でいじってただけだったんだが、ときどき行く中古ショップでかなり安めなのが出ていたので、つい買ってしまった。かなり安いですねえと店員の人に訪ねたら、まあX-T3出ましたしねーという感じの返答だったのだが、しかし他店の中古に比べても安かった。こういうのはヨロコビながらもつい疑ってしまうわけだが、とはいえこの店で昔安めで買ったニコンF3も未だに現役なのであった。

レンズは今までのを引き継げるので、ボディだけ買えば良いというのもある。

わくわくして帰ってきたのだが、X-T1と並べてみると、微妙な大きさが気になる。

スペック的には数ミリ大きくなっただけのはずなんだけどね。ちなみにX-T3はさらにわずかな大きめサイズ。

 

KPと並べると、あんまり大きさの差が感じられない。まあ、KPがかなり小さいんだけど。重さ的にはどうかな。

 

オリンパスTRIP35

ジャンク箱も最近はなかなかいいものが減ってきてるのと、家によく分からないカメラが増殖しっぱなしなので最近は覗くのを控えめにしていたんですが、先日めずらしく出物を見つけた。

オリンパスTRIP35。

 

一年くらい前だと思うんだけど、カメラが充実してるリサイクルショップでうろうろしていたら、たまたま別のお客さん2人が雑談してるのが耳に入って。なんでも、最近はオリンパスペンが人気だけど、それならトリップ35のほうがいいのにね世界で一番売れたんだし、とかなんとか。

どう「いい」のかは分からない。ペンは確かに今はまあまあの値段したりするので、値段的な意味なのか。あるいは、修理できるかどうかの問題なのか後述の通り、電池がいらないことの安心感か(そろそろ水銀電池使用のはヤバイ)。そのへんはよく分からなかったんですけど。

まあ、そのときはへえ、って感じだったんだけど、そういわれるとやっぱり気になるわけである。ジャンクコーナーではたまに見かけるタマではあるが、後述の通りいまいち使えるのか分からないというか、正常品なのか異常品なのか分からなかったりして買わずにいたんだけど、先日某ハードオフでたくさんおいてあるのを発見。

いくつもあると不具合の個所は少しづつ違ったりするわけで、比べているとなんとなく正常なのがどれかある程度推測できてくる。絞りがちゃんと回って、距離計が回って、で絞りをAに合わせると明るさに合わせて絞りが変わる、とこのへんができてればよさそうだ、と。

 いろいろ見てるうちに、その中でもわりかた安いやつがちゃんと絞りが正常に働いていることに気づいた。ほかのは電灯にかざしても絞りが変化しなかったりして。

 まあ1000円だしということでお買い上げ。おい家に増殖してる問題どこいった。

 というわけで検索。所有報告は新しいブログでもけっこうある。そして軒並みお安く手に入れている。

yoshiza.hatenablog.com 

blogs.yahoo.co.jp

yodogawa.xyz

shunsanpo.com

安いからということで、けっこうカスタマイズして使ってる人も多いみたい。

懸案の使い方であるが、まあ割と押せば撮れますカメラではあるのだが、古いカメラということで、ここのサイトでマニュアルをみることができる。

とりあえずこのカメラなにがおもしろいって、電池無しで撮れるオートカメラ。電池入れるところはないけど露出計はある。この、正面部分が受光装置になっているのである。セレン光電池、まあ要するに太陽電池のご先祖様だな。だから電池いらず。セレンは環境負荷が大きいので早い時期に使われなくなっているらしい。環境負荷が小さくなったわけじゃないので大事に使ってあげましょう。処分するときは各自治体の指示で。絞りはマニュアル露出設定も出来るんだけど、これはフラッシュを焚いて撮る時用らしい。

シャッターは2種類しかなくて、1/30と1/250。これだけは耳で聞いてもちゃんと切り替わってるかどうかよくわからない。撮ってみるしかないな。

1968年発売だが、1985年まで作り続けられたというのでロングセラーである。1000万台をうりあげたそうで、ペンは全部合わせて1700万台というので、まあすごい売れ方。発売当初の定価は14800円。1969年発売のコニカのC35が15700円。同じく69年発売のミノルタハイマチック11が25000円。1968年発売のキヤノネット28が13300円。とすると、どうやらこのあたりが当時のコンパクトカメラの相場だったらしい。当時の物価を考えるともちろん安くはないけれど、これが一眼レフだとさらに高いわけで。

一眼レフの当時の普及機と高級機の線引き感覚とかは良く分からないのだが、ミノルタのSR-T101(1966年)が32600円、キヤノンFT QL(1968年発売)が50mmF1.4付きで54800円。当時の初任給は2~3万あたりが相場だったようなので、やっぱり買いやすさが違います。フラッグシップクラスのニコンF2は1971年に64200円。今だと、コンパクトカメラ組が10万円、普及機や中級機が30万円、フラッグシップは60万円、というくらいの感覚か。

ちなみに高級コンパクトの嚆矢、ローライ35は1967年に発売で69000円。そら雑誌で嫌みも言われるわな。

この種の性能を持つ国産カメラの価格を比べるといかにも割高であり、たしかにひとつは持っていてよいカメラではあるが、そういう希望をかなえられる人が果たして何人いるだろうか。

(「アサヒカメラ」1967年8月号ニューフェイス診断室)

あ、別に性能自体は良いものだということで高く評価されてほめらてたみたいです。あくまで値段の話で。今でも無印ドイツ製の初期ものだとF2より高いか?

 

というわけで、今みたいにオート機能が充実してる時代じゃない上、シャッターは1/30までしかないので、撮れる明るさは限られる。コンパクトカメラでなんとなくシャッターを切ると思った以上に長いシャッターが下りて慌てるというのはたまにあるけど、そもそもそういうスローシャッターが省略されている。

じゃあ、そういう明るさで切った時はどうなるか。

こんな感じで「赤ベロ」が出て撮影できなくなってしまうのである。便利ですねえ。

まあそういうカメラである。

 

こんな企画もあるんだね。

solaris-g.com

レンズの明るさ

 

レンズをいじったり、カタログなんか見てると、ふっと思い出すこと。

レンズのF値って魔物だなあ、と。

同じ焦点距離でも、いくつかの明るさのものがある。50mmというとF1.8が安くて、F1.4はちょっと高い、というような。

 

例えばこのレンズの開放F値はF1.4である。

 

こっちはF1.7。

 

これはF2。

 

かつて、F値対決のようなものがあった時代があったそうである。かつてというのはもう半世紀くらい前。

ズノー光学という会社が、5cm(当時は焦点距離の単位がミリのものとセンチのものがあった)F1.1というレンズを発売した。1953年のことである。当時はこの1.1というF価は世界一明るかったらしい。これに触発されて各メーカーが少しでも明るく、少しでも質のいいレンズを作ろうとしのぎを削るように試みるようになったそうだ。

まず、富士フィルムが50mmF1.2というのを出した。ほぼ同時に、コニカ(当時は小西六)がヘキサノン60mmF1.2というのを出す。なぜ50mmではなく60mmなのかはわからないが、古い時代には焦点距離が長いほうが設計しやすかったふしがあるのでそういうことかもしれない。

 

少しして、キヤノンも50mmF1.2を、そして日本光学が50mmF1.1を発売する。ちなみに、まだ一眼レフの時代ではないので、どれもレンジファインダー用、ライカLマウントやニコンSマウント用のレンズである。

 

www.nikon-image.com

そして、1960年にキヤノンが最終兵器のように出してきたのが50mmF0.95。Fが1より明るい。これが競争の終止符になった。

なんでこれ以上の話が進まなかったか。これはよくわからない。

資料をあたるとどこかにそういう話も書いてあるかもしれないので、本当は調べて書きたいんだけど、手元にないし。

で、これは想像なんですが、技術競争としてはすごい話でも、商売にはならなかったのだろうな、と。

該当レンズ、今でも中古市場ではどれも非常に高価である。特にズノー、フジノン、ヘキサノンあたりは70万とか80万とかいう数字が見える。見ないことにしたい。

これはひとえに、製造本数が少ないためである。コニカの60mmF1.2は製造本数200本くらいらしい。ズノーは画期的なものを作りながら、ほんの数年後にヤシカに買収されている。まあこれはその後出した一眼レフで失敗したこと大のようだけど、大口径で大儲けしていたらヘッジできていただろうし。フジノン50mmF1.2についても、八百富カメラのブログで、「我社の会長に言わせると、フジノンのライカマウントレンズ群はメーカーが売れずに新品を捨て値で処分したレンズという思い出が強いようで、こちらがどんなレンズを見せて珍しいと言っても過去からあまり相手にされませんでした」という回想が紹介されているのもお察しな感じ。ニッコールはそれでも本数がある方のようだが、それでも3000本

早田カメラのブログで紹介されている情報によると、ズノーのレンズの発売当初の価格が95000円だったらしい。フジノンが75000円。ヘキサノンが78000円。ニッコールが予価78000円。キヤノンだけはちょっと時代がずれているのでここには出ていないが、これはキヤノンの公式サイトにあるカメラミュージアムに発売価格が書いてあって57000円。ちなみに同時期に普及用のレンズとして作られたとおぼしき50mmF2.2というレンズは12000円。キヤノンが先だって作った50mmF1.2は60000円だから、キヤノンはけっこう破格で売ってたということになる。

なんかこの数字だけ見ると今どきのレンズみたいである。撒き餌レンズが1万円台。でもその割には時代の最先端のはずのレンズ群がそこそこレンズくらいのお値段だ。

もちろんそんなわけはなくて、当時の物価は今と全く違っていたわけである。例えば、当時の小学校の先生の初任給は1954年で7800円だった。ちなみに同じ年の国家公務員の大卒初任給が8700円。2015年の大卒総合職(いわゆる国家I種)の初任給が181200円だから。

もっとも当時はホワイトカラーの職業自体がだれでもつけるものではなかったわけで、これが消費者物価指数ベースだと、1954年のそれは2012年のそれを100としたときに13.1である

というわけで何をベースにするかによって全然違ってくるのでいかんともしがたいのだが、気軽に換算するのもむつかしいのだが、少なくとも一番安い普及クラスのレンズで、今でいう大三元くらいの感覚になりそうである。

 

いくつか、ネット上に実写レポートがある。

news.mapcamera.com

http://www.oldlens.com/fujinon%205cmf12.html (フジノン50mmF1.2のレンズ実写)

Canon S50mm F0.95キヤノン50mmF0.95の外観と実写)

 

コニカのヘキサノンは、1998年に少し違う設計で限定復刻がなされていて、そっちはいくつか実写レポートが見つかるのだが、元レンズについてはない。

もっとも、その後も全く明るいレンズが出なかったわけではない。F1.2レンズはたいていのメーカーで最高級クラスの標準レンズとしてラインナップされている。ライカからは1976年にノクティルックス50mmF1.0が出ている。

キヤノンは明るいレンズというのはその後も割とこだわっていたようで、昔まだカメラなんて新品で買うのは思いもよらない子供のころにカタログだけを眺めていたころ、キヤノンのレンズカタログに50mmF1.0というのがラインナップされていた。F1.0である。F0.95ではないが、F1.0。EOS用。

特殊な例として、ツァイスがF0.7というレンズを作っていたことがある。これは月に人類が行っていた時代に、月で撮影するために作られたレンズで、10本くらい作られたらしいのだが、のちに映画監督のキューブリック監督が映画に使いたいということで何本かはそちらで使われたらしい。もっとも、映画用に転用するということでなにかと苦労は多かった模様。

ツァイスにはさらには40mmF0.33というのもあるのだが、これは技術アピールのための試作品のようなものらしい。日本のメーカーのも技術アピールみたいなものではあるが、一応販売はされていたわけで。

plaza.rakuten.co.jp

 もう一つ、東京光学、つまりトプコンF0.7のレンズを作っていた。という話がある。

光学機器の歴史は軍需産業と切っても切れないというろくでもなさを秘めているわけだが、東京光学は陸軍御用達のメーカーであった。ちなみに海軍が日本光学。艦これの雪風が下げてる双眼鏡はニコン製かしら。それはともかく、1943年に夜間でも観測できるような観測機器を作りたいので、明るいレンズを開発せいという指令が東京光学の丸山修治氏のところに来たわけである。10本くらい作られたそうだが、戦後どうなったかは不明とのこと。

このときの設計をベースに、1951年の南極探検隊用のレンズが作られている。

 F1より明るいレンズのF値と明るさの関係なんてピンとこないが、1段階絞るとF値は1.4変わるわけである。正確にはルート2。そして1段階絞ると、入ってくる光は2倍になる。

ということは、F1の一つ上の絞りはF0.7。その次が0.5。その次が0.35くらい。

つまり、東京光学やツァイスのF0.7レンズはF1.0の一段階上で、F0.33というのはさらにその2つ上。ということであるな。

 

デジタル時代になって、中国や韓国のメーカーの非常に挑戦的な感じの明るいレンズが出てきた。技術的なこともだけど、フルサイズより小さいフレームのセンサーが普及したので、ボケが欲しいという事情があるんじゃないかなと勝手に想像している。日本のサードパーティレンズにも明るいレンズが出ている。これらのレンズはそこまで高くないものも多いので購入もねらえる。

 例えば、F1.2だと七工匠というメーカーが50mmF1.1のレンズを出している。ライカマウント用なのでデジカメで撮るときはたいていアダプターがいるだろうけど。

中一光学やコシナフォクトレンダーブランドからは、F0.95のレンズが発売されている。

 サードパーティだとシグマやタムロンの現行商品にはない。シグマなんてF1.8通しのズームとかとんでもないものを出してるのに単焦点はF1.4どまりである。